永青文庫がアジアのさまざまな仏像を所蔵していることは、あまり知られていないかもしれません。当館の設立者である細川護立(もりたつ)(細川家16代・1883~1970)は東洋美術に広く関心を持ち、中国考古や陶磁器ばかりではなく、中国の石仏・金銅仏、インドや東南アジアの彫刻をもコレクションに加えました。とりわけ北魏から唐時代におよぶ中国彫刻は、近代日本においていち早く中国美術を紹介・蒐集した早崎稉吉(はやさきこうきち)(1874~1956)の旧蔵品が大半を占め、各時代の特徴を表した重要な像が多く含まれます。
このたび専門家の協力を得て、これら東洋彫刻コレクションの調査を行いました。本展では、調査の成果に基づき、「菩薩半跏思惟像(ぼさつはんかしいぞう)」や「如来坐像(にょらいざぞう)」(いずれも重要文化財)をはじめとする中国彫刻、ほとんどが初公開となるインド彫刻を一挙に紹介し、あわせて個人蔵の貴重な中国金銅仏を特別に展示します。
昨今注目を集める日本の仏像の源流ともいえる、中国・インド彫刻。この展覧会で、ルーツを探ってみませんか。
■主な展示作品
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重要文化財
菩薩半跏思惟像
中国 北魏時代(6世紀前半)
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重要文化財
如来坐像
中国 唐時代(8世紀前半)
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如来坐像
中国 唐時代(7世紀後半)
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道教三尊像
中国 北魏時代 永平年間(508~511年)
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ヴィシュヌ立像
インド ポスト・グプタ時代(7~8世紀)
熊本県立美術館保管
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ターラー菩薩立像
インド パーラ時代(9~10世紀)
熊本県立美術館保管
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菩薩立像
中国 隋時代(6世紀末~7世紀初)
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重要文化財
如来坐像
中国 宋時代 元嘉14年(437年)
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双観音菩薩立像
中国 北斉時代 天保8年(557年)
個人蔵
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●早春展 石からうまれた仏たち―永青文庫の東洋彫刻コレクション― |
入館料 |
一 般:800円(700円)
シニア(70歳以上):600円(500円)
大学・高校生:400円
※( )内は10名以上の団体料金
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料 |
開館時間 |
10:00~16:30(入館は16:00まで) |
休館日 |
月曜日(但し1/14・2/11は開館し、1/15・2/12は休館)
※天災や災害等の状況により、臨時に休館や開館時間の
短縮を行う場合があります。
最新の情報は電話03-3941-0850(自動音声)やTwitter
にてお知らせします。 |
■平成30年度早春展「石からうまれた仏たち」記念講演会
●永青文庫の中国石仏―早崎稉吉が将来した名品―
※定員に達したため受付を終了いたしました |
日 時 |
2019年3月10日(日)13:30~15:00 |
講 師 |
石松日奈子氏(本展監修者、東京国立博物館客員研究員) |
会 場 |
肥後細川庭園 松聲閣(東京都文京区目白台1-1-22)
※永青文庫に隣接。詳しくはこちら |
定 員 |
40人(先着順) |
参加費 |
1000円(友の会会員800円)※当日、現金でお支払いください。 |
申込方法 |
1/19(土)午前10:00より電話(03-3941-0850)にて先着順に受付 |
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