「長谷雄草紙(はせおぞうし)」(鎌倉~南北朝時代、13~14世紀)は平安時代の漢学者・紀長谷雄(きのはせお)にまつわる怪異な説話を題材にした絵巻です。江戸時代に徳川将軍家の宝物として秘蔵されていた一巻で、幕末維新期の混乱により長らく所在不明でしたが、昭和に入り、永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ)(1883~1970)の所蔵となりました。
この絵巻に描かれているのは、長谷雄と朱雀門の鬼との双六争い。見事勝利した長谷雄は美女を得ますが、鬼との約束を破って100日を待たずに美女に触れると、たちまち水となって流れ消えてしまうというストーリーです。双六の賽(さい)を振る音が線で表されるなど、今日のアニメや漫画に通じる表現も見受けられます。物語はわずか5段と短く、内容も明快で、室町時代以降の短編小説「お伽草子(おとぎぞうし)」の源流を示す貴重な作例とされています。
他にも永青文庫には、かつて熊本藩士の大矢野家に伝来した国宝「蒙古襲来絵詞(もうこしゅうらいえことば)」(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)の模本など様々な絵巻が伝わっています。本展では、これまであまり公開の機会がなかった絵巻コレクションを通して、横長の画面に繰り広げられる物語の世界をたっぷりとご紹介します。
■主な展示作品
|
重要文化財「長谷雄草紙」(部分) 鎌倉~南北朝時代(13~14世紀)
永青文庫蔵
|
|
重要文化財「長谷雄草紙」(部分) 鎌倉~南北朝時代(13~14世紀)
永青文庫蔵
|
|
「蒙古襲来絵詞(模本)」(部分) 文政4年(1821)
永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)
|
|
「蒙古襲来絵詞(白描本)」(部分) 寛政9年(1797)頃
永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)
|
|
「秋夜長物語絵巻」(部分) 室町時代(16世紀)
永青文庫蔵
|
|
「申陽洞記絵巻」(部分) 江戸時代(17世紀)
永青文庫蔵
|
|
『絵入太平記』 江戸時代(17世紀)
永青文庫蔵(熊本大学附属図書館寄託)
|
●秋季展 秘蔵!重要文化財「長谷雄草紙」全巻公開
―永青文庫の絵巻コレクション― |
入館料 |
一 般:1000円
シニア(70歳以上):800円
大学・高校生:500円
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料 |
開館時間 |
10:00~16:30 (入館は16:00まで) |
休館日 |
月曜日(ただし10/9 は開館し、10/10 は休館)
※状況により、臨時に休館や開館時間の短縮を行う場合がございます。最新の情報はTwitterにてお知らせします。
※ご来館にあたって事前予約は必要ありませんが、混雑時はお待ちいただく場合がございます。
※当館の感染症予防対策については、こちらをご覧ください。 |
■記念講演会 「絵巻入門―長谷雄草紙をたのしく鑑賞!」
講 師 |
上野 友愛 氏(サントリー美術館 主任学芸員) |
日 時 |
2023年11月25日(土)13:30~15:00 |
会 場 |
日本女子大学 新泉山館2階 201・202教室
(東京都文京区目白台1-19-10)
アクセスはこちら |
定 員 |
60人(先着順。定員に達し次第、受付を終了。) |
参加費 |
1000円(年間パスポート会員、大学・高校生500円)
※税込。当日現金でお支払いください。 |
申込方法 |
下記の申込フォームまたは往復はがきにてお申込みください。
【受付開始】10月7日(土)10:00
【申込フォーム】https://forms.gle/nMHrkvG2Lkv6xr2b7
【往復はがき】
宛先:〒112-0015 東京都文京区目白台1-1-1 永青文庫
11月25日講演会係
記入内容:
①参加者氏名(ふりがな)、②住所、③当日連絡の取れる電話番号、
④次のABCいずれか
(A)年間パスポート会員、(B)一般、(C)大学・高校生、
⑤返信面に住所・氏名
※往復はがきは11月10日(金)必着
※応募は1回につき1名様まで
※参加の可否や詳細は、メール または はがきにてお知らせします。メールは「@eiseibunko.com」ドメインからお送りしますので、受信できるよう設定ください。メールの不着やドメインをブロックされた場合など、ご連絡に不備がある場合、参加の権利を無効とさせていただくことがございますのでご了承ください。 |
※イベントは状況により、変更・中止となる場合がございます。 |